オーストラリアのワーホリでは、保険への加入を検討することが重要です。海外での生活では、どのようなトラブルが発生するかわからないためです。
一方で、保険料が高いために加入をためらっている方もいるかもしれません。 そこで、保険への加入を悩んでいる方のため、オーストラリアのワーホリにおける保険の必要性や、加入するメリットなどを紹介します。
この記事を読むことでなぜ必要なのか、検討できる保険にはどういった種類があるのかなどがわかるようになるので、ぜひご覧ください。
Contents
オーストラリアワーホリにおける保険の必要性
ワーホリを検討する際は、保険への加入を検討することが重要です。以下のような理由からオーストラリアのワーホリでは保険が必要です。予期せぬトラブルへの備えとして、保険は必要不可欠です。
オーストラリアの治安
治安が悪い地域では、犯罪に巻き込まれるリスクが高まります。オーストラリアは比較的治安の良い国とされています。
2024年の世界平和度指数(Global Peace Index)によると、オーストラリアは全163か国中19位と上位に位置しています。ちなみに、日本はオーストラリアよりも上位にあたる17位です。それほど日本と治安は変わらないことがわかるでしょう。(※)
ただし、国ごとの事情が異なるため、日本と同じ感覚で行動すると危険を招く可能性があります。実際にオーストラリアを訪れた旅行者がスリや置き引きなどの軽犯罪に遭うケースもあります。
さらに、観光客や留学生は金銭を持っていると見られやすく、犯罪の標的になることが少なくありません。不測の事態に備えるためにも、保険への加入を検討すべきです。 (※)
参考:(PDF)IEP:Global Peace Index 2024[PDF]
医療費が日本よりも高額
オーストラリアでケガや病気で治療を受けた場合、医療費が発生します。保険未加入の場合、医療費は全額自己負担となるため、注意が必要です。
オーストラリアの医療費は高額であり、自己資金のみで病気やケガに備えるのは困難です。日本の初診料は数千円程度が一般的ですが、オーストラリアでは一万円以上かかることも珍しくありません。
病院の部屋代は日本と比べて大幅に高額です。 たとえば、発熱や吐き気で受診した場合に約80,000円、じんましんの治療でも40,000円以上かかるケースがあります。
大きなケガや病気の場合はさらに高額な治療費が発生するため、注意が必要です。保険未加入が原因で病院を受診できず、症状が悪化する事態は避けるべきです。
オーストラリアワーホリ向け保険の種類と特徴
オーストラリアワーホリ向け保険には、大きく分けて海外旅行保険、現地の医療保険制度、ワーホリ専用のOVHC保険といった3つの種類があります。それぞれどのような特徴があるのか解説します。
海外旅行保険
一般的な短期旅行でも海外旅行保険を検討する方は多いでしょう。ワーホリでは、短期旅行用ではなく補償内容が充実した海外旅行保険を選ぶ必要があります。
医療費や緊急帰国費用に関することだけではなく、携行品損害や賠償責任も幅広く対応している保険がほとんどです。 クレジットカード付帯の海外旅行保険を活用する方もいます。
ですが、クレジットカードについている海外旅行保険は、3か月程度の滞在期間の間しか補償されない点に注意が必要です。 海外旅行保険の場合、急なケガや病気に関する医療費だけではなく、滞在中の盗難や歯科治療費用、何らかの理由で他人をケガした場合の補償などが受けられます。
現地の医療保険制度
オーストラリアには、メディケアと呼ばれる国民健康保険制度があります。国民の税金によって運営され、現地住民は公立病院を無料で利用できます。
対象となっているのはオーストラリアの永住権を持っている人や市民権保持者、永住権申請中の人です。 また、日本はオーストラリアとの医療相互協定を締結しており、一定条件を満たせばワーホリ中の日本人もメディケアを利用できます。
メディケアによって公立病院での治療が無料になるほか、医療費の一部助成を受けることが可能です。 ただし、対応範囲が限られているため、メディケアだけで保険加入を不要と考えるのは適切ではありません。救急車の利用や私立病院での治療、歯科治療、慢性疾患の治療、予防接種などもメディケアの対象外です。
その他の保険への加入も検討しましょう。
ワーホリ専用のOVHC保険
ワーホリ専用の保険として「OVHC」と呼ばれるものがあります。 「Overseas Visitors Health Cover」の略であり、海外訪問者健康保険のことです。
健康保険であるため、ケガや病気の補償は受けられますが、携行品などの損害補償は含まれません。対象となるのはオーストラリアを訪問する旅行者のほか、就労者です。
日本国内からだけではなく、オーストラリアに行ってからでも加入できます。最低限の補償で十分と考える場合は、OVHCを選択肢に入れても良いでしょう。 学生ビザの対象者には加入が義務づけられている保険です。
保険に加入するメリット
保険への加入を検討してはいるものの、費用のこともあって悩んでいるといった方もいるでしょう。保険に加入することで、以下のようなメリットがあります。
補償内容が充実している
なにかあった際に補償が受けられるのは、最も大きなメリットといえるでしょう。特に保険の中でも海外旅行保険であれば非常に内容が充実しています。
24時間365日対応可能な保険を選ぶことで、現地での生活に安心感を得られます。 海外生活では、困った際に自分だけでは対応が難しい場合があります。
24時間日本語対応のサポートデスクがある保険は、緊急時にも心強い選択肢です。
加入から保険金の手続きまでを日本語で行える
OVHCの場合は現地のサービスということもあり、日本語には対応していません。
なにかあった際はすべて英語で手続きしなければなりませんが、日本語対応の海外旅行保険やワーホリ専用のOVHC保険であれば、日本語に対応しています。
保険を利用することがあった際、保険金を請求する手続きについても戸惑うことなく進められるでしょう。
オーストラリアのワーホリ保険の選び方
オーストラリアのワーホリで利用可能な保険には、いくつか種類があります。その中からどれを選べば良いのでしょうか。ここでは、選び方のポイントを4つ解説します。
補償項目
まず、必ず確認しておかなければならないのが、補償項目に関することです。 選択する保険商品によって補償項目は大きく異なります。代表的な項目は以下の通りです。
補償項目 | 内容 |
治療・救援 | 治療費用:ケガ・病気の治療を受けた際にかかった治療費 救援費用:ケガ・病気で病院に入院した際、親族が現地の病院まで駆け付けた場合にかかる費用 |
傷害後遺障害 | ケガによって後遺障害が発生した場合、障害の程度に応じて支払われる保険金 |
傷害死亡 | ケガにより亡くなった場合に支払われる費用 |
疾病死亡 | 病気により亡くなった場合に支払われる費用 |
個人賠償責任 | 現地で生活中に他人にケガをさせたり、他人のものを壊したりした場合に支払われる補償 |
携行品(生活用動産) | 持参した荷物が盗難や破損した場合などの補償 |
航空機寄託手荷物の遅延 | 飛行機に搭乗した際に航空会社に預けた手荷物が、目的地の到着後一定時間を経過しても届かなかった場合に支払われる生活必需品の購入費 |
航空機遅延 | 飛行機が遅延した際にかかる宿泊費や交通費の補償 |
歯科治療 | 歯科疾病の治療費用 |
緊急一時帰国 | 海外滞在中に親族が死亡、危篤などにより一時帰国を余儀なくされた際に補償される交通費や滞在費 |
弁護士費用 | 損害賠償請求を行う際に必要な費用に関する補償 |
保険金額
補償項目と同様に確認すべきポイントは、保険金額です。
いくらまで保険金が出るのか確認しておきましょう。「海外では、日本とは異なる治療方針や治療方法が取られる場合があります。
そのため、日本で治療を受ける場合はそれほど治療費がかからない病気やケガであったとしても、高額になることが珍しくありません。
安価な保険に加入すると、実際に利用する際に補償金額が不足する可能性があるため注意が必要です。 フルカバー型の海外旅行保険は、保険料が高額になる傾向があります。
年間で20万円以上かかる場合もあり、費用の面で躊躇する方もいます。 保険料を抑えたいと考えているのであれば、OVHCが向いています。ただし、フルカバーの保険と比較すると補償される範囲は狭くなってしまう点に注意が必要です。
保険期間と更新方法
ワーホリで滞在可能な期間は対象国によって異なりますが、オーストラリアの場合は最短で1日、最長で3年となっています。
まずは自身がどの程度オーストラリアにワーホリで滞在しようと考えているのか明確にしておきましょう。 その上で滞在予定期間をカバーできる保険期間が用意されているものを選ばなければなりません。
多くのワーホリ向け保険では、3か月から1年間のプランが選べます。更新が必要になった場合も多くのサービスではオンラインでの手続きに対応しているので、手間に感じることはないでしょう。
ただし、更新をする際、健康状態の再審査を求められることもあります。こういったケースでは再審査が必要ないものと比較して時間がかかることが考えられるため、早めに手続きを済ませておきましょう。
保険が切れている期間にケガや病気をする可能性もあるため、注意が必要です。現地滞在中は保険が切れる期間がないように注意しておいてください。
長期滞在者向けプランの検討
長期間にわたってオーストラリアにワーホリで滞在しようと考えているのであれば、一般的な短期間の旅行保険ではなく、長期滞在者向けプランを検討しなければなりません。
短期の旅行保険と比較し、医療費や緊急帰国費用の上限が高めに設定されています。そのため、オーストラリア滞在中になにかあった際も保険で対応しやすくなるでしょう。
契約期間が長くなるほど費用は高くついてしまいますが、短期契約のプランと比較して保険料の割引や更新オプションといったものが豊富に用意されているものもあります。
保険加入手続きの流れ
実際に保険加入はどのような流れで行うのかも確認しておきましょう。一般的な流れを解説します。
申込み方法の確認
事前に行っておきたいのが、申し込み方法の確認です。ほとんどの保険会社は公式サイトを持ち、インターネット上で詳しい手続きの流れを確認できます。
ほとんどのケースはオンラインで完結する形です。手続きが完了するまでにどの程度の時間がかかるのかもチェックしておいてください。
加入時期の検討
具体的な加入時期を検討していきます。現地に渡るまでに契約すればよいと考える方もいますが、ビザ申請時に保険加入証明が必要な場合もあるため、ビザ申請前に加入することをおすすめします。
費用を抑えるために出発直前に加入する方もいますが、タイミングによっては手続きが間に合わない場合もあるため注意が必要です。 ビザを申請する2~3か月前には自分に合っている保険の種類をよく比較しながら検討しましょう。
その上で出発の1か月前までには加入申請を済ませておくことをおすすめします。 海外旅行保険は、日本出発前に加入を済ませる必要があります。
渡航予定が急に早まってしまったような場合は加入しそこねてしまうこともあるので、注意が必要です。
必要書類の準備
保険加入に必要な書類を準備しましょう。加入する保険によって求められる書類が異なります。 インターネットで手続きをする場合は、クレジットカードやメールアドレスが必要です。
また、保険代理店で申し込む場合は銀行口座と銀行印、パスポートなどの本人確認書類の提出を求められることがあるため、事前に必要書類を確認してください。
ワーホリ中の保険利用と請求方法
ワーホリ中に保険を使用する機会があった場合、戸惑わずに済むように保険の利用と請求方法について確認しておきましょう。押さえておきたいポイントは以下の3つです。
医療機関の利用方法
病気やケガが原因で治療を受けたいと考えた際には、GP(General Practitioner)と呼ばれる医療機関(一般開業医)を受診することから始めます。
通常、日本の場合は症状に該当すると思われる専門医に直接相談が可能です。ですが、オーストラリアの場合は緊急時を除き、まずはGPで初診を受ける形になります。
GPは総合ドクターの役割を果たし、歯科以外の内科や外科、小児科、婦人科、皮膚科などの分野をすべてカバーしているのが特徴です。その上で処方せんが出され薬局で薬を受け取るか、専門医の紹介を受ける形です。 治療を受けたい場合は、直接GPに連絡するのではなく、各地域の日本語対応医療センターに相談してください。
日本語医療センターで診断を受けてからGPにみてもらうことになりますが、英語力が十分である場合は自ら直接GPの診察を受けても問題ありません。
GPの診察を受けたあと、専門的な検査や診断を行わなければならないと判断されれば、専門医である「Specialist」や病院「Hospital」に連絡してもらえるので、ここで改めて予約を取る流れです。 基本的に直接専門医や病院に行くことはないので注意しておきましょう。
軽度の風邪などであれば、GPの診察のみで済むこともあります。 主要都市には日本人医師や日本語対応が可能なGPがいるため、相談しやすいです。
保険金請求の流れと必要書類
医療機関を受診後は速やかに保険会社に連絡し、必要書類の案内を受けてください。保険金請求書、医療機関の診断書や領収書が必要です。
また、パスポートのコピーや、事故の場合は警察または消防署が発行する事故証明書も必要になります。 不明点があれば、保険会社のサポート窓口に問い合わせてください。
請求時の注意点
保険金を請求する際は、不備なく書類をそろえることが重要です。不備があった場合は再提出を求められ、保険金の支払いが遅れる可能性があります。
また、保険金の請求には期限があるため、定められた期限内に書類を提出する必要があります。
安心してオーストラリアに行くためにも保険の検討を
いかがだったでしょうか。オーストラリアへのワーホリで検討したい保険について紹介しました。必要性や保険の内容についてご理解いただけたかと思います。
保険への加入は法的な義務ではありませんが、万が一のリスクに備えるため、加入を検討することをおすすめします。
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