「ワーキングホリデー」とは、休暇を利用して就労や就学を認める制度です。
日本と海外の国が二国間協定を結び、互いの国が相手国の就労者・就学者を受け入れ、一定期間の滞在やその他の活動を許可する制度です。
南半球に位置するオーストラリア連邦もワーキングホリデー協定国のひとつです。1980年に日本と初めてワーキングホリデー協定を結んだ国としても知られています。
この記事では、旅行先や就労先として人気が高いオーストラリアのワーキングホリデー(ワーホリ)について、制度の詳細やビザの申請条件、申請期間などを詳しく紹介します。
Contents
オーストラリアのワーホリに倍率はある?
オーストラリアでのワーホリでは、ビザの年間発給数に上限が設けられていないため、抽選や選抜がありません。
提示されている申請条件に合致し、所定の方法で申請を行い、審査に通ればワーホリビザが発行されます。
倍率は存在しませんが、条件を満たす必要があります。
セカンドワーホリビザ・サードワーホリビザも倍率は関係ない
オーストラリアでは、ワーホリビザの延長申請が2回まで可能です。1回目の延長ではセカンドワーキングホリデービザが、2回目の延長ではサードワーキングホリデービザが発給されます。
セカンドワーホリビザとサードワーホリビザは、どちらも倍率は関係なく、条件を満たせば申請できます。審査に通った方は前回と同じように滞在を続けられます。
ただし、対象年齢は18〜30歳のため、渡航時の年齢制限に注意が必要です。
ビザの種類 | セカンドワーホリビザ | サードワーホリビザ |
就労期間 | 3ヶ月(88日間)以上 | 6ヶ月以上 |
期限 | 28日以内 | 28日以内 |
申請料金 | 650AUD | 650 AUD |
年齢制限 ※申請時 | 18〜31歳未満 | 18〜31歳未満 |
オーストラリアワーホリビザの詳細
オーストラリアワーキングホリデービザとは、日本とオーストラリアの協定に基づき、短期間の就労や就学が許可されるビザ(査証)です。
ビザとは外国籍をもつ渡航者に対し、オーストラリアへの入国を許可する証書(証明書)となるものです。 オーストラリアに滞在して働くためには必要条件を満たし、入国する方が申請を行って、政府から正式に発給されたビザを提示しなければなりません。
ワーキングホリデービザは、申請時点での年齢や被扶養者の有無、往復の旅券や切符代の所持といった一定の要件があり、日本から申請する場合は日本国籍を有する人に限られています。
一般的に、1〜2年程度の短期就労や現地企業でのインターンシップ、交換留学を目的として発行されます。
オーストラリアワーホリビザの申請条件

オーストラリアワーホリビザの申請条件には、国籍や健康状態などの規定があります。
ここからは、基本条件を確認したうえで証明書の提出が必要とされる「健康診断」「残高証明」「人物診査・無犯罪の証明」についてみていきましょう。
基本条件
基本条件として、オーストラリア国外にいることや日本国籍であること、就学・就労可能な期間などが定められています。 また、現地に滞在するための生活資金や帰国時の航空券の購入費用が用意できていることも条件です。
扶養する子がいないこと、子を同伴させないといった条件にも該当している必要があります。
項目 | 条件 |
申請日 | 申請日・ビザ発給日共にオーストラリア国外にいること |
国籍 | 日本国籍であること |
対象年齢 | 18〜30歳(扶養する子供がいないこと) |
就学期間 | 最長17週 |
就労期間 | 最長6ヶ月(同一雇用主の下) |
必要資金 | 5,000AUD他+帰国時の航空券または航空券の購入費用(残高証明書の提出) |
健康状態 | 健康な人(特定条件の該当者は健康診断を受診) |
その他 | 子ども・被扶養者を同伴させない オーストラリアのビザ発給が初めての人 |
特定の条件に該当する方は、健康診断の証明書が必要です。残高証明書など必ず提出しなければならない書類と、健康診断の条件も確認しましょう。
健康診断
オーストラリアのワーホリビザを申請するには、すべての申請者が健康上の基準を満たす必要があります。 さらに、次のような方が健康診断の受診を求められます。
- 他国への渡航歴・国籍
- 妊娠中(オーストラリアで出産予定がある)
- 所定の施設で研修や就労予定がある
- 3ヶ月以上就学する予定がある
他国への渡航歴とは、過去5年以内に結核リスクの高い国に3ヶ月以上滞在経験がある方を指します。また、結核ハイリスク国(※1)に指定されている国の国籍がある方も同様に健康診断が必要です。
妊娠中でオーストラリアで出産予定がある方や、滞在中に医師・歯科医師・看護師・救急救命士などとして就労または就学する予定がある方も、健康診断を受ける必要があります。
医療機関以外では育児施設(幼稚園や保育園)での実習や就労が含まれます。現地で3ヶ月以上学校などに通う予定がある場合も、健康診断を受ける必要があります。
健康診断の検査内容として、胸部レントゲン検査(Form160)や内科検診(Form26)、HIV・B型肝炎・C型肝炎といった疾患を検査します(渡航目的により異なる)。
オーストラリア移民局では医療機関を指定しており、その医療機関で受けた健康診断結果のみが有効です。
健康診断の有効期限は1年間です。1年以内に学生ビザを再申請する場合(またはオーストラリア国内で申請する場合)、申請者の状況によっては健康診断を再度受ける必要があります。
医療機関のリストはオーストラリア移民局のページ(※2)内のプルダウンより「Japan」を選択し、「Panel physician」という項目から確認してください。
指定の病院が近くにない場合は、受診のための移動や日程の調整が必要です。病院が混雑している時期や時間帯も確認して、確実に来院できるように早めの段取りをおすすめします。
健康診断を受けてから数週間で審査が完了します。健康状態に問題があり再診になる可能性やその他の提出書類の不備なども考慮し、4ヶ月前からビザの申請を始めると良いでしょう。
※1参照元:Australian Government Department of Home Affairs「What health examinations you need」
※2参照元:Australian Government Department of Home Affairs「List of locations」
残高証明
残高証明書の提出は、すべての申請者に共通しています。オーストラリア滞在中に必要な5,000AUD(豪ドル)に加えて、帰国時の航空券または航空券の購入費用(残高証明書の提出)を用意しなければなりません。
十分な資金がない場合、必要な申請条件を満たしていても審査に通らない可能性があります。生活を維持できる経済状態を証明するためには、金融機関の残高証明書を取得し、ビザ申請ページに証明書をアップロードします。 残高証明書は英字のものが必要です。
豪ドル・日本語どちらの表記でも問題ありません。金融機関で発行してもらえますが、直接窓口へ行く必要があるため、申請期限までに余裕をもって準備しましょう。
人物審査・無犯罪の証明
無犯罪証明書とは、犯罪を犯していないことを正式に証明するための書類です。 ワーホリビザの申請では、人物審査が行われ、犯罪歴に関する質問が含まれます。
内容によっては無犯罪証明書の提出が求められます。 無犯罪証明書は、申請者の現住所を管轄となる警察署で発行してもらえます。
直接警察署を訪れて発行を申請します。罰金歴や前科がある場合、または執行猶予中の方は、無犯罪証明書を発行できません。
オーストラリアのワーホリビザの申請期間

オーストラリアのワーホリビザ(Subclass 417)の申請期間は、数日から数か月までと幅があります。 通常、申請には数か月かかるため、31歳の誕生日が近い方は間に合わないことがあります。
パスポートや残高証明書の発行など、それぞれの必要書類の発行にも時間がかかることを考慮しなければなりません。ビザの申請には、すべての書類を準備し提出する必要があるため、出発の約半年前には手続きを始めましょう。
申請期間は、審査の進行状況によって異なります。必要書類が正しい英文で抜けや漏れがないように記載し、提出することで、時間をかけずに審査が行われます。
[2025年最新] オーストラリアのワーホリビザ申請方法
オーストラリアのワーホリビザは、次の順番で申請します。
- オーストラリア政府公式HPで必要書類提出
- ワーホリビザ申請にかかる費用を支払う
- ビザの承認書を受け取る
必要書類を準備し、提出後に費用を支払います。審査にすべて通過するとビザが発給されるので、承認書を受け取って完了します。
オーストラリア政府公式HPで必要書類提出
ビザ申請には次の書類が必要です。
- パスポート
- クレジットカード
- 残高証明書
- その他の証明書
海外渡航のためのパスポートを所持していない場合は、すぐに取得を行ってください。パスポートの有効期限が1年未満の場合は、早めに更新しましょう。
ビザの申請後は、代金の支払いを求められます。支払いは現地で使えるクレジットカードで行います。クレジットカードを持っていない場合は、必要書類を揃える段階で作っておきます。
オーストラリアのワーホリビザ申請には、オーストラリア移民局のオンライン申請システムに登録するための「Immi Account」を作っておく必要があります。
Immi Accountはビザの申請や申請内容と処理状況の確認、申請料の支払いを行うことができるシステムです。オーストラリア内務省との確認にも使うことができます。
ビザ申請を途中保存したり、再開したりする機能も搭載されています。パスポートの情報やEメール、住所など変更がある場合には更新も可能です。 Immi Accountの作り方は次のとおりです。
【Immi Accountの作り方】
- Immi Accountのページから、「Create ImmiAccount」を選ぶ
- メールアドレスを入力し、認証する
- 氏名・電話番号などの個人情報を入力する
- パスワード・秘密の質問などを入力する
- アカウント作成後、移民局からメールが届く
迷惑メール設定やセキュリティ設定によって返信が届かないことがあるため、公式サイトからの返信を受信できるメールアドレスを使用してください。
申請したメールアドレスのスペリングに誤りがないかも確認しましょう。
Immi Accountを作成したあとは移民局からメールが届くため、作成したアカウントを使って公式サイトからログインし、ビザの申請を行ってください。
ユーザーネームとパスワードでログインしてから「New application」を選択します。個人情報やパスポート情報を入力し、健康に関する宣誓やビザの規定を確認します。
必要書類をデータとして添付します。パスポートや残高証明書はjpgファイルなどで添付できます。
「Submit Application」の画面で申請し、すべての手続きを完了します。 入力途中でも一時保存できますが、書類をアップロード後の保存期間は最大30日間です。
ワーホリビザ申請にかかる費用を支払う
必要事項の入力や確認、必要書類のアップロードを終えたら、ワーホリビザ申請の費用を支払います。申請費用は650AUDです。クレジットカードで決済し、申請が完了します。
クレジットカードが使えない場合は支払いができないため、有効なものを使用してください。残高が十分にあることを確認し、支払い時に発生する約1%の手数料も考慮して、余裕を持った金額を用意しましょう。
クレジットカードの種類にはMastercard・VISA・AMEX・デビットカード・PayPalが対応しています。カードが有効かどうか、事前にカード会社へ確認しておくと安心です。
ビザの承認書を受け取る
ワーホリビザを申請すると「Immi acknowledgement of application received」という件名のメールが届きます。 申請書類に不備がなければ、「Grant Notification」という件名のメールが届きます。
こちらはワーキングホリデービザが承認されたことを示すものです。
ビザ承認のメールがすぐに届かない可能性もありますが、約2日〜2週間以内に届くケースが多いため、メールボックスを定期的にチェックしましょう。
承認メールに添付される「IMMI Grant Notification」と記載されたファイルは保存しましょう。ビザ取得の証明になります。オーストラリア渡航前に、該当ファイルを印刷して持参しましょう。
申請内容に不備がある場合、「IMMI Request for More Information」と記載されたメールが届きます。追加で情報の提出が必要となるので、メールに添付されているファイルから必要な情報を提出しましょう。
オーストラリアのワーホリビザを申請する際の注意点

オーストラリアのワーホリビザを申請するときは、必要事項を満たしており書類を揃えてアップロードできることを確認しましょう。
31歳の誕生日を過ぎていないこと、パスポートの有効期限やクレジットカードの効力が切れていないことも確認してください。
申請後に移民局から届いた通知は、メールやスクリーンショット、印刷を行い大切に保管してください。添付されているPDFファイルも印刷し、掲示できるようにコピーをとって保存しておきましょう。
ワーホリを検討する場合は早めの準備が大切
今回は、オーストラリアのワーキングホリデーに必要となるビザについて、申請の手順や書類、注意点を紹介しました。
事前に申請までの流れや申請時の段取りを押さえておけば、当日になってから慌てずに申請できます。 ワーキングホリデーは、正式な承認を受けることで現地で就労できる貴重な制度です。
言語・コミュニケーションのスキルや専門的な経験ができるチャンスであり、現地の観光や旅行も楽しめます。 現地で働くためのビザを取得するには、渡航の半年前から時間と資金に余裕を持って準備する必要があります。
ビザの申請はオンラインで行われるため、当日になって準備をしないために、安定した接続環境やパソコンを準備しておきましょう。
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