オーストラリアのワーホリでどの程度収入を得られるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。まず、オーストラリアでワーキングホリデーとして働くためには、以下の条件を満たしている必要があります。
【条件】
- ワーキングホリデーに必要なビザを取得して入国する
- 銀行口座を開設する
- Tax File Numberを取得する
- お酒を取り扱う場合は酒類販売資格(RSA)を取得する
Tax File Numberとは、オーストラリア税務署が発行する納税者番号を指し、オンライン申請により取得可能です。同一雇用主のもとで6か月以上働くことができないため、基本的に半年ごとに仕事を変える必要がある点に注意しましょう。
ここでは、オーストラリアのワーホリに挑戦したいと考えている方のため、仕事をする上で押さえておきたいポイントを解説します。稼げる金額の目安やおすすめの仕事についても詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
Contents
オーストラリアの最低賃金は日本より高いため稼ぎやすい
オーストラリアの最低賃金は日本よりも高く、毎年定期的に見直しが行われています。
2024年7月~2025年6月に適用される最低賃金は、24.10豪ドルに設定されています。これは日本円換算で、2,349円に相当します。日本の場合、最も高い最低賃金は東京都の1,163円です。(2025年1月14日時点)
オーストラリアの最低賃金は、東京都の約2倍に相当します。(※1)
世界的に見てもオーストラリアの賃金は高めであるため、日本と比較して稼ぎやすい国といえるでしょう。ただし、物価も日本より高いため、この点を考慮する必要があります。
(※1)参考:厚生労働省:地域別最低賃金の全国一覧
オーストラリアのワーホリではいくら稼げる?
資金的な余裕が少ない場合、現地での収入に期待する方も多いのではないでしょうか。オーストラリアのワーホリで働いた場合に得られる収入の目安を、期間別に以下で紹介します。
期間 | 豪ドルの目安 | 日本円の目安 |
1週間 | 915.8豪ドル | 86,106円 |
1か月 | 3,663豪ドル | 356,855円 |
1年 | 43,958豪ドル | 4,282,454円 |
それぞれ詳しく解説します。
1週間の収入
ワーキングホリデーには就労時間の制限がないため、希望すれば長時間働くことも可能です。学校で学びながら働きたい方は、一日中働くのが難しいため、早めに働き方を明確にしておくことが大切です。
2024年7月~2025年6月に適用されるオーストラリアの最低賃金は24.10豪ドルなので、週38時間働く場合、915.8豪ドル(86,106円)程度の収入が見込まれます。
日に3時間働く場合、週5日では362豪ドル(35,269円)、週3日では217豪ドル(21,141円)程度となります。
ただし、職業によって収入が異なるため、あくまで目安として参考にしてください。
<h3>1か月の収入</h3>
次に、1か月の収入を計算します。週38時間働いた場合、1か月(4週間)の収入目安は3,663豪ドル(356,855円)です。
日に3時間働く場合、週5日では1か月で1,446豪ドル(140,887円)、週3日では868豪ドル(84,567円)程度となります。
1年の収入
次に、1年働いた場合の収入について計算します。週38時間働いた場合、43,958豪ドル(4,282,454円)が目安です。日に3時間働いた場合、週5日では17,352豪ドル(1,691,117円)、週3日では11,411豪ドル(1,112,116円)程度が見込まれます。
また、オーストラリアのワーホリでは、同一雇用主のもとで継続して働けるのは最長6か月までと定められています。
ただし、2024年1月1日からは同一雇用主であっても勤務先が異なる場合には6か月を超えて働くことが可能になっています。
たとえば、同じ雇用主のチェーン店で勤務地を変更する場合には、勤務を継続できます。ただし、割の良い仕事でも基本的に6か月以上継続することはできません。この点に注意してください。
オーストラリアのワーホリで貯金はどのくらいできる?
将来を見据え、オーストラリアのワーホリ中に貯金を考える方も多いでしょう。ワーホリ中は出費がかさむこともありますが、最低賃金が高いオーストラリアでは工夫次第で貯金が可能です。
渡航前にかかる費用と滞在中にかかる費用、収入からどのくらい貯金できそうか考えてみましょう。
まず、渡航前にかかる費用として以下のようなものが挙げられます。
項目 | 費用 |
ワーキングホリデービザ申請費用 | 約6.3万円 |
航空券費用 | 6万円~ |
海外留学保険 | 20万円~ |
合計すると、安く済んだとしても32万円以上の費用がかかることになります。
ワーホリビザでの入国について、海外旅行保険の加入は必須ではありません。ですが、海外ということもあり何が起こるかわからないので、できる限り加入しておいた方が良いでしょう。
続いてオーストラリアの滞在時にかかると予想される費用についてです。
項目 | 費用 |
語学学校 | 36~50万円程度 |
現地宿泊費 | 37~50万円程度 |
食費 | 23~25万円程度 |
交通費 | 4.5~12.5万円程度 |
滞在中にかかる費用は非常に個人差が大きいといえるでしょう。
特に食費や交通費に関して確認が必要です。食費は節約しようと思えば大幅に削れるポイントでもありますが、あまりにも削り過ぎると現地での生活を楽しめなくなってしまう恐れがあります。
費用を抑えても、滞在中には100万円以上の出費が予想されます。
渡航前後を合わせると、合計で130~170万円程度の費用が必要です。
収入についてですが、紹介したように週に38時間、1年間働いたとした場合、収入の目安は4,282,454円なので430万円程度と考えておきましょう。この場合、合計収支は約260~300万円です。ただし、これは高収入を得られた場合のシナリオです。
一方、週に15時間程度しか働かないと考えた場合は1年間で170万円程度の収入と予想できるため、余裕はありません。
貯金を増やすためには、長く働ける仕事を選ぶことが重要です。
オーストラリアのワーホリで稼げる仕事を紹介
オーストラリアのワーホリで行う仕事には、さまざまな選択肢があります。特に稼ぎやすい仕事を厳選して紹介しますので、ご自身に合った仕事を探してみてください。
仕事の種類 | 賃金目安 | 必要な英語力 |
清掃 | 23豪ドル(約2,248円) | 不要~初級程度 |
ファームジョブ | 28豪ドル(約2,737円) | 不要~初級程度 |
ミートファクトリー | 32豪ドル(約3,128円) | 不要~初級程度 |
ジャパニーズレストラン | 23豪ドル(約2,248円) | 不要~初級程度 |
レストラン | 28豪ドル(約2,737円) | 中級〜上級以上 |
アシスタントナース | 35豪ドル(約3,421円) | 中級〜上級以上 |
保育士 | 32豪ドル(約3,128円) | 中級〜上級以上 |
(※)日本円の目安は2025年1月14日時点
それぞれ仕事の特徴を紹介していきます。
清掃
賃金目安 | 必要な英語力 | 必要な資格 |
23豪ドル(約2,248円) | 不要~初級程度 | なし |
清掃の仕事は、主にオフィスやホテルで安定した需要がある職種です。基本的に難しい英語を話す必要がないため、簡単な英語が理解できれば十分対応可能です。
ただし、お客様と接することがある場合は中級程度の英語力が求められることもあります。
ほとんどの職場では最低時給が設定されていますが、高額な時給を提示している職場も存在します。特に清掃関係の業務でできることが増えると時給も上がりやすいので、少しずつ経験を積んで時給アップを目指すと良いでしょう。
体力を使うことも多い仕事なので、体力に自信がある方には特に向いています。清掃関係のアルバイトを複数掛け持ちしている人も見られます。
英語力が低くても働ける職場を探したい場合は、日系旅行会社のオフィススタッフや宿泊施設の管理スタッフといった選択肢も検討してください。
ファームジョブ
賃金目安 | 必要な英語力 | 必要な資格 |
28豪ドル(約2,737円) | 不要~初級程度 | なし |
ファームジョブとは、日本でいう農業関連の仕事を指します。収穫や種まき、牧場での動物の世話など、多岐にわたる業務を行います。
ワーホリの間では「ファーム」と略されることもあります。
政府が認定している農場や工場で88日以上働いた場合は、1年間ワーホリビザの延長が可能なセカンドワーキングホリデービザの申請もできるということで人気です。
いくら稼げるかは職場によって異なりますが、収穫関連の仕事の場合、時給ではなく1カゴ単位でいくらと定めているものもあるようです。力や体力に自信がない場合は、時給制の仕事を選ぶのがおすすめです。
ミートファクトリー
賃金目安 | 必要な英語力 | 必要な資格 |
32豪ドル(約3,128円) | 不要~初級程度 | なし |
ミートファクトリーとは、精肉工場で食肉の切り分けや加工を行う仕事のことです。
オーストラリアは農業大国であり、ミートファクトリーの求人も数多く存在します。英語レベルはそれほど求められないため、オーストラリアにワーホリで行ったあと、最初に行う仕事としても人気です。
なお、働いている人の国籍が多様なため、ある程度の英語力があるとコミュニケーションがスムーズになります。
重たいものを持ち上げることもあり、仕事内容はハードです。
ジャパニーズレストラン
賃金目安 | 必要な英語力 | 必要な資格 |
23豪ドル(約2,248円) | 不要~初級程度 | なし |
日本人が多く集まるジャパニーズレストランでは、日本人の求人情報を出していることもあります。オーストラリアでは日本食の人気が高く、一般的には最低賃金よりも高めの時給が設定されています。
日本語が通じる部分も多いのが魅力といえるでしょう。
ただ、だからこそ英語がそれほどうまくならない、海外で働いている自覚を持ちにくいなどのデメリットもあります。勤務先の選択肢は豊富なため、適切な職場を慎重に選ぶことをおすすめします。
レストラン
賃金目安 | 必要な英語力 | 必要な資格 |
28豪ドル(約2,737円) | 中級〜上級以上 | なし |
ローカルを対象としたレストランでは多くの求人があり、時給が高い場合が多いことから、高収入を得やすい職種といえます。また、現地の方と接する機会が多く、英語力の向上が期待できます。一方で、円滑にコミュニケーションを取るためには中級以上の英語力が必要です。
アシスタントナース
賃金目安 | 必要な英語力 | 必要な資格 |
35豪ドル(約3,421円) | 中級〜上級以上 | Certificate III in Individual Support (Ageing)またはCertificate III in Health Services Assistance (Assisting in Nursing Work in Acute Care) |
Certificate III in Individual Support (Ageing)またはCertificate III in Health Services Assistance (Assisting in Nursing Work in Acute Care) アシスタントナースとは、正看護師や准看護師をサポートする仕事です。医療関連の業務のため専門性が高く、中級以上の英語力が必要です。また、高齢者施設で働く場合はAgeingの資格、病院で勤務する場合はAssisting in Nursing Work in Acute Careの資格が求められます。
特に日本で看護師として勤務していた経験がある方に向いているでしょう。時給は高めなので、稼ぎやすい職種です。
保育士
賃金目安 | 必要な英語力 | 必要な資格 |
32豪ドル(約3,128円) | 中級〜上級以上 | Certificate III、Diplomaなど |
チャイルドケアワーカーとも呼ばれる仕事です。主に赤ちゃんから幼稚園入園前の子どもを施設で預かり、保育や日常生活の支援を行います。
所有する資格によって収入が異なるため、高収入を目指す場合は資格の選択に注意が必要です。子どもたちやその保護者とコミュニケーションをとる機会があるので、中級以上の英語力が求められます。
オーストラリアで稼げる仕事を探す方法
オーストラリアでワーホリをする場合、収入は選択する仕事によって大きく異なります。ここでは、稼げる仕事を探すために押さえておきたいポイントを解説します。
仕事の探し方
仕事の探し方は、基本的に日本国内と変わりありません。代表的な方法を4つ紹介するので、自身に合っていそうなものを選択してみてはいかがでしょうか。
現地で好条件な仕事を検索する
現地の求人情報を探して仕事を見つける方法です。日本人向けに作られている求人情報サイトもありますが、現地の求人向けサイトも活用することにより、選択肢が広がります。
日本人向けの求人サイトで希望に合うものが見つからない場合は、現地向けの求人サイトも確認することをおすすめします。
なお、日本国内にいるうちから検索できるサービスもあります。渡航後に仕事探しを始める場合、どのような仕事があるのかを調べる必要があり、時間がかかることがあります。渡航前から仕事探しを始め、候補となる仕事を絞っておくことが重要です。
好条件の求人は高収入が期待できますが、応募条件や仕事内容を事前に確認することが必要です。
職歴やスキルを直接アピールして条件を交渉する
好条件で契約するためには、自身の職歴やスキルを直接アピールすることが効果的です。
特に働きたい職場が見つかった場合は、レジュメを作成し、直接持ち込む方法も有効です。
その際は、職歴やスキル、得意分野を具体的に伝えることで、自身の強みをアピールしましょう。なお、ジャパニーズレストラン以外で働く場合は英語でレジュメを用意する必要があります。
求人数や職種が多い地域へ滞在する
地域によって求人数や職種は大きく異なります。自分が働きたい職種が決まっている場合は、その職種に関する店舗やオフィスが多い地域を選択すると良いでしょう。
大都市は求人数が多い一方で競争も激しく、田舎では求人が少ないものの競争率も低い傾向があります。そのため、必ずしも大都市の方が仕事を見つけやすいとは限りません。
現地の知人に好条件な仕事を紹介してもらう
現地で暮らしている知人がいる場合は、その人に好条件の仕事を紹介してもらうのも良いでしょう。日本では自力で仕事を探すのが一般的ですが、オーストラリアでは知人や友人の紹介で仕事を見つけることもよくあります。
自分が希望している条件を伝えることにより、求人サイトでは見かけないような好条件の求人情報が手に入る可能性もあります。
スキル
仕事によって求められるスキルは異なります。自分が希望している職種ではどのようなスキルが必要かを早い段階で調べておきましょう。
英会話スキルは、どのような仕事をする場合でも身につけておくことが重要です。
日常会話に支障がない英会話スキルを身につける
専門的な資格が必要となる業種の場合は、高い英会話スキルが必要です。一方、日常会話ができる程度の英会話スキルがあれば、就労可能な仕事の選択肢は多いです。
ただし、基本的な英語が理解できない場合、仕事の指示を理解できない可能性があるため、注意が必要です。
業務に支障が出る場合、雇用主にとっても負担となり、指示が理解できなければ業務を進めることが難しくなります。渡航前に仕事中に使う可能性が高いフレーズなどをしっかりと身につけておきましょう。
いくら稼げるかは自分次第
いかがだったでしょうか。オーストラリアのワーホリを検討している方のため、気になる仕事について紹介しました。いくら稼げるかは選択する仕事やスキルによって異なるので、一概にはいえません。
ただ、ワーホリ中の生活費に不安がある方はできるだけ稼ぎやすい仕事を選ぶと良いでしょう。
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