「留学の目的を聞かれたけど答えられなかった」「他の人はどんな目的を設定しているの?」などと考えていませんか。前向きに検討を進めている方でも「何のために」と聞かれると戸惑うことが多いでしょう。
留学を実りあるものにするために、目的を明確にしておくことが大切です。 ここでは、留学の代表的な目的を紹介するとともに目的を設定する際に注意したいポイントを解説しています。外国で学びたい方は参考にしてください。
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代表的な留学の目的

留学の主な目的は以下の通りです。
【代表的な目的】
- 外国語コミュニケーション力の向上
- 将来のキャリアの選択肢を広げるorキャリアアップ
- 異文化適応力を身につける
- 行動力を高める
- 忍耐力を身につける
- 自立する
- 日本のよさを知る
これらの目的について詳しく解説します。
外国語コミュニケーション力が向上する

内閣官房が発表している資料によると「留学したらやりたいこと」の1位は「語学力を向上させたい(71.0%)」です。同様の結果は、デジタルハリウッド大学大学院メディアサイエンス研究所が行った調査でも確かめられています。
同調査によると「あなたが留学したいと思う理由」の1位は「語学力をつけたいから」です。外国語コミュニケーション力の向上は、留学の代表的な目的の一つでしょう。
留学を経験すると、語学力が飛躍的に向上する可能性があります。日々の暮らしを通して、生きた外国語を学べるためです。もちろん、国内でも外国語を学べますが、日常生活の中で、言語の使い方や自分の意見の伝え方を実践的に学ぶことは難しいでしょう。
生活を通して言語、文化を学べる点は、留学ならではの魅力と考えられます。
出典;内閣官房「参考データ集」
出典:デジタルハリウッド大学大学院メディアサイエンス研究所「海外大学への留学と語学学習意欲についての2023年の調査の結果と考察」
将来のキャリアの選択肢を広げるためorキャリアアップ
将来の選択肢を広げるため、あるいはキャリアアップを実現するため、留学を選択する方も少なくありません。
内閣官房が発表している資料によると「留学したらやりたいこと」の問いに対して、23.7%が「国際関係の学問や職業に関心がある」、14.7%が「これからの進路を考えるきっかけにしたい」、12.7%が「大学受験や就職に有利」と回答しています。同資料で「留学は仕事の役に立っているか」の問いに対して、留学経験者の16.1%が「非常に役立っている」、39.3%が「役立っている」と回答している点もポイントです。
留学経験は、進学や就職、キャリアアップの大きな強みになります。外国語コミュニケーション能力を中心に、さまざまな能力を磨けるためです。
外国語を日本語と同じように扱えるようになれば、言語の壁を克服できます。その結果、外国の大学院へ進学したり、外資系企業へ就職する道も開けるでしょう。
進路の選択肢を広げたい方におすすめの取り組みです。
出典;内閣官房「参考データ集」
異文化適応力が身につく
異文化に対する適応力を身につけることも、多くの方が掲げる留学の目的です。
デジタルハリウッド大学大学院が行った調査で「あなたが留学したいと思う理由」に対して、59.5%が「視野を広げたいから」、34.9%が「外国で生活したいから」、20.6%が「その国の進んだ知識を獲得したいから」と回答しています。 また、内閣官房が発表している資料で「留学経験で仕事に役立ったこと」の問いに対して、留学経験者の30.3%が「異文化理解力」と回答している点も見逃せません。
語学力に比べると軽視されがちですが、留学を通じて重要な能力として身につけることができます。 異文化適応力を高めることで、異なる文化をスムーズに理解し、海外での生活に早く馴染んだり、人脈を築きやすくなったりします。人間としての器を一回り大きくできると考えられます。
出典;内閣官房「参考データ集」
出典:デジタルハリウッド大学大学院メディアサイエンス研究所「海外大学への留学と語学学習意欲についての2023年の調査の結果と考察」
行動力が高まる
留学で行動力を高めたいと考えている方もいます。
デジタルハリウッド大学大学院が行った調査で「あなたが留学したいと思う理由」に対して、62.2%が「色々なことを体験したいから」と回答しています。
内閣官房が発表している資料で「留学経験で仕事に役立ったこと」の問いに対して、留学経験者の14.5%が「チャレンジ精神」、3.5%が「主体性」と回答している点もポイントです。さまざまな経験を積んで、行動力を高められたと感じている方が多いことがわかります。
留学で行動力を身につけられる理由は、何も知らない環境へ一人で飛び込むからといえるでしょう。周囲に頼れる人がいないため、自分で調べて行動しなければなりません。たとえば、現地のパン屋で商品を注文するだけでも挑戦になることがあります。
毎日、チャレンジを繰り返しているうちに行動力を身につけられるのです。
出典;内閣官房「参考データ集」
出典:デジタルハリウッド大学大学院メディアサイエンス研究所「海外大学への留学と語学学習意欲についての2023年の調査の結果と考察」
忍耐力が身につく
留学中に忍耐力を身につけたいと考える方もいます。日本では経験できないことを経験できるためです。留学中は、語学学習、異文化交流など、楽しい経験をできる一方で、日々、小さな困難にも直面します。
たとえば、役所の手続きをどう進めればよいかわからない、銀行口座をスムーズに開設できないなどが考えられます。 日本では当たり前のようにできていたことでも、留学先では情報収集や周囲の人の協力が必要になります。
ひとつずつ壁を確実に乗り越えていかなければならないため、日常生活を送っているだけで忍耐力が身につきます。日本では当たり前のように頼れる環境にいる方も、留学を通じて自立心や忍耐力を鍛えることができるでしょう。
自立できる
生活の自立を留学の目的に設定する方もいます。保護者のもとを離れて、一人で生活することになるためです。一人暮らしに必要なスキルとして以下のものがあげられます。
【一人暮らしに必要なスキル】
- 掃除
- 洗濯
- 料理
- 金銭管理
- 自己管理
金銭管理は決められた予算の中でやりくりすること、自己管理は時間や健康などを適切に管理することといえるでしょう。日本で家族と暮らしていると、これらの多くを保護者が担っています。したがって、自立に必要なスキルを身につけられないことが少なくありません。留学は、自立に必要なスキルを身につけるチャンスといえます。
日本のよさを知る
留学期間中に、日本を外から見てみたいと考える方もいます。子どもの頃から日本で暮らしていると、日本の良い点や悪い点が見えにくくなります。すべてが当たり前になってしまうためです。
たとえば、予定時刻どおりに電車が到着しても、特別なこととは感じにくいでしょう。 外国で暮らし始めると、体験を通して日本との違いを理解できます。
予定通りに電車が来ないことを知って、日本の素晴らしさを実感することがあります。反対に、日本の課題に気づくこともあるでしょう。これらの発見が、今後の生活に活かされます。日本のよさ、あるいは日本の課題を改めて認識できる点も留学の魅力です。
留学方法によって異なる理由・目的

留学の理由・目的は、留学の方法によっても異なります。留学の方法別に、主な理由や目的を紹介します。
語学留学の場合
語学留学は、海外の語学学校で外国語を学ぶ方法です。主な目的は、外国語の習得といえるでしょう。
具体的なカリキュラムは語学学校で異なりますが、スピーキング、リスニング、リーディング、グラマーなど、外国語の基礎を学べることが一般的です。 語学学校の魅力は、現在の語学力に応じた学校やクラスを選べる点です。
初心者レベルであっても、留学先で同レベルの生徒たちと一緒に語学を学べます。自分のスケジュールに応じて、留学期間を柔軟に選べる点も魅力です。
語学留学の主な目的は語学習得ですが、海外での生活を通じて、ほかの能力も向上させることができます。具体的には、異文化に対する理解を深めたり、行動力を身につけたりすることができます。
これらの経験を通じて、将来の選択肢が広がる可能性もあります。
大学/大学院留学の場合
大学、大学院留学には、正規留学、協定留学など、いくつかの方法があります。正規留学は、海外の大学または大学院へ入学することです。留学の目的は、学位の取得といえます。
協定留学は、在籍している大学と協定を結んでいる海外の大学、大学院へ留学することです。交換留学と呼ばれることもあります。協定留学の目的は、海外の大学や大学院で専門分野の知識を深めることです。
どの留学方法でも、外国語の習得は欠かせません。外国語で講義を受けたり、ディスカッションに参加したりする必要があるためです。
また、教授や生徒との交流で異文化に対する理解を深めたり、日々の生活で忍耐力を身につけたりすることもできます。将来の選択肢が広がる留学といえます。
ワーキングホリデーの場合
ワーキングホリデーは、日本と協定を結んだ国・地域で、滞在費を補うための就労と就学、観光ができる制度です。留学中に語学学校へ通うこともできます。
留学の主な目的は、留学先の文化、生活を理解することです。学びを通して、日本への理解を深めることも目的の一つと言えます。
日本と協定を結んでいる国・地域は、オーストラリア、カナダ、スペイン、ポルトガル、スウェーデン、オランダ、イタリア、韓国、台湾、香港など30カ国・地域です。
日本国籍を有する18歳~30歳までの方であれば、ワーキングホリデー制度を原則として利用できます。海外で働いてみたい方や語学を学びたい方に向いている留学方法といえるでしょう。
留学目的のポイント

ここからは、留学する際に意識したいポイントを紹介します。
目的達成後のビジョンを思い描く
留学前に、目的達成後のビジョンを描いておくことが大切です。ビジョンを明確にすると、進むべき道が明らかになります。
たとえば、留学後に○○として活躍するために、A国ではなく○○に強いB国を選ぶという選択肢が考えられます。この場合、留学は大目標を達成するための手段といえるでしょう。
もちろん、すべての方に大目標があるわけではありません。大目標が定まっていない方は、理想の自分像を明確にしてみてはいかがでしょうか。
少し高めのレベルを設定する
留学の主な目的は、外国語の習得です。留学前に目標を定めておくと、進捗状況を把握しやすくなります。ポイントは、現在のレベルより少し高めの目標を設定することです。
達成可能な目標を設定することで、モチベーションを維持しやすくなります。ちなみに、留学前に非現実的な目標を設定することはおすすめできません。無理な目標を設定すると、達成が困難になり、結果として目標が形骸化する恐れがあります。
具体的な内容にする
留学中の目標は、できるだけ具体的に設定します。可能な限り、目標は数値化するとよいでしょう。数値を用いることで、達成度を客観的に評価しやすくなるためです。
たとえば、「○○の試験で80点以上を取る」という目標を設定すると、試験結果をもとに現在の実力を把握できます。また、具体化することで、努力の方法も理解しやすくなります。
不足している能力がわかるためです。達成したい目的がある方は、そこにつながる具体的な小目標を複数設定するとよいかもしれません。
自分だけの留学目的を見つけましょう

ここでは、留学の目的について詳しく解説しました。主な目的として、外国語の習得、進路の選択肢を増やす、異文化を理解するなどがあげられます。
ただし、具体的な目的は、選択する留学方法によって異なります。留学後を見据えて、自分なりの目的を見つけることが大切です。
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